リアルのりある。〜遺言書トラブル〜 『誰かが勝手に開封したらどうする?』

日付:22年05月31日 火曜日カテゴリ: スタッフブログ

こんにちは!リアルサービスの広報担当です。
遺言書は、勝手に開封すると効力を失うと言います。では正しい開け方とは?
そして、誰かが勝手に開けてしまったら、どうすれば良いのでしょうか。
いざという時に必要になる「遺言書の扱い方」について、当社代表・堤に詳しく聞きました。

◆遺言書は、定められた場所で開封すべし

Q. 日頃あまり意識していないことですが、遺言書の正しい開封の仕方などはあるのでしょうか?

【堤】もちろんです。遺言書は、基本的に司法書士や弁護士、行政書士など、遺言書作成のプロの立ち合いのもとで作成され、封をして保管しておくものですが、開封する場合には家庭裁判所へ遺言書を提出し、「検認」を受けて、相続人立会いのもとで開封すると法律で定められています。

Q. 家庭裁判所へ提出しなければならないんですか。もし誰かが勝手に開封したらどうなるのでしょう?

【堤】正しい手順を踏まずに勝手に開封すると法律違反になります。場合によっては罰則として過料(罰金)を支払わなければならなくなる可能性もありますから、どんなに中を見たくても黙って開けてはいけません。

Q. 勝手に開封したら効力がなくなると聞きますが。

【堤】これはただの噂ですね。都市伝説のようなもので、開封されてもその効力まで失われるわけではありません。開けてしまった人の相続権が失われるようなこともありません。

Q. 開封されてしまった遺言書はどうすれば良いのでしょう?

【堤】そのまま家庭裁判所へ持って行ってください。相続人が複数名いる場合は、後のトラブルを避けるためにも遺言書の存在を知らせておきましょう。しかし勝手に開封すると、内容を改ざんした疑いをかけられることもありますから、どんなに気になっても1人で勝手に開けないことです。

Q. 封をしていなくて、印鑑もない遺言書でも、同じように効力があるのでしょうか?

【堤】被相続人が相続の意思を示すために自筆で書いた遺言書であれば、封がなくても検認が必要です。単なるメモ書きに見えても、です。なぜなら本人が作成したものであることを証明する必要があるからです。

 

◆勝手に開封した場合に起こり得るトラブルとは

Q. 誰かが勝手に遺言書を開封した場合は、どんなトラブルが起きるのでしょうか。

【堤】開封した人が、他の相続人から疑われてしまうことが最大のトラブルでしょう。

Q. 疑われる、とは。

【堤】内容を改ざんしたのではないかという疑いですね。内容を書き換えていないかとか、中身を入れ替えていないかとか。何もしていないことを証明するのは存外に難しいので、とにかく「遺言書を見つけたら、勝手に開けないこと」がベストですね。

Q. 実際にそれで争いになったケースは?

【堤】ありましたよ。やはり開けた人が疑われて。その後きちんと家庭裁判所に提出して検認を受けたのですが、他の相続人達が内容に納得できなかったんでしょうね。開けた人を疑う形で不満をぶつけるような形になってしまいました。

Q. そうなると、後の関係性に影響しそうですね。

【堤】相続で揉めると、元通りの関係に戻るのは非常に難しいと言えます。遺言書を見つけるとどうしても気になって開けてしまう人がいるのも確かですが、ご自身のためにも我慢して、速やかに家族に遺言書の存在を知らせ、開封する際には家庭裁判所へきちんと提出していただきたいと思います。

――終活という言葉が広まって、遺言書を書く人が増えたと言われています。しかし、正しく作成して保管するまでは知っていても、開封の仕方を知っている人はまだまだ少ないかもしれません。

もしもの時に揉めないためにも、遺言書を作成した時点で家族に伝え、開封時には家庭裁判所に提出しなければならないという手順まで共有できていると良いですね。

不動産が絡む遺言書の作成に関しては、普段から懇意にしている不動産会社があれば、そこに相談して然るべきプロを紹介してもらえたりもします。
当社でも相続対策に関する相談や困りごとをお受けしていますので、ご不明なことがあればお気軽にお尋ねください。